前回の記事はコチラ:【Q&A】子どもにやってほしいことがあるときの声かけは?
こんにちは~!
今日もまた、精神科医のたかぎ先生からお手紙が届いてます♪
アンケートの質問に答えてくれたみたいなので、特別に見せちゃいます。
質問:HSCの怒りっぽい息子に、どう接すればいいですか?
HSCと思われる息子が怒りっぽく、すぐに機嫌が悪くなり怒りを家族にぶちまけてきます。
優しい言葉をかけたいのに、いい加減こちらも頭にきてしまいます。
伝えるべきことは言わねばと思いますが、言えば言うほどへそを曲げてしまい、
どう接すればよいかわからなくなってしまいました。
毎日平和に過ごしたいと思うのに、言い合いばかりです。
息子とどう関わっていけばよいのか、アドバイスいただけたら幸いです。
(『HSP/HSCのための心を落ち着けるレッスン』でいただいた質問を少し改変しています)
たかぎ先生からの回答
「平和に過ごしたい」のに、大変な日々を過ごしておられるとのこと、本当にお疲れ様です。
「本当は怒りたくない、仲良く平和に過ごしたい」というのは、誰もが願うことですが、HSP/HSCはなおのことだと思います。
感覚の敏感さは、感情の起伏の大きさに影響しやすいため、そこからくる怒りっぽさもあるのかもしれません。
ちょうどいい刺激の範囲が狭いために、刺激過多にもなりやすいと思います。
致し方ない面も大きいのかもしれませんが、怒りっぽさとの関わり方について少し述べたいと思います。
■怒りは二次感情
まず、身近な人が「怒りっぽく、すぐ機嫌が悪く」なり、怒りをぶちまけられると、こちらもついイラっとしてしまいますよね。
怒りの感情は周囲に伝わりやすいため、無理もないと思います。
「怒りっぽい」ということは「余裕がない」のかもしれません。
疲れているのか、嫌なことがあったのか、空腹なのか、睡眠不足なのか、理由は色々考えられますが、「いっぱいいっぱいなんだな」というのは伝わってきます。
また、怒りは「二次感情」と言われます。
つまり、何か別に理由があって、二次的に怒りが出てくるということです。
「本当はこうしたいのにできない」、「こういう自分でありたいのに、それが叶わない」などの願望が隠れていることがあります。
あるいは「痛いところに触れられたくない」と威嚇としての怒りかもしれません。
そうは言っても、どんな気持ちが隠れているのか話を聞けないこともあります。
そういうときは「よくわからないけど、思い通りにいかないんだな」くらいでもいいと思います。
「困った子」と見るとこちらもイライラしますが、「困っている子」には少し優しくしやすくなるからです。
■怒りを外在化する
これは言い方を変えると「外在化する」ということです。
「人」と「問題」を分けて、その「問題」を人格の外に出す。
つまり「怒りっぽくて、すぐ機嫌が悪くなる困った子」とみるのではなく、「(余裕がなくて)機嫌が悪くなり、すぐ怒ってしまうという問題(悩み)を抱えて、困っている子」と見る。
「その子」と「問題」を切り分けて、「その問題を抱えて困っていて、自分でもどうすればいいのか混乱している人」と見るわけです。
外在化すると、関係性が変わります。
「息子vs母」という対立構造から、「問題vs息子、母」という「問題」を一緒に解決するための共闘関係(味方同士)になります。
これは「本来のありたい関係性を思い出す」ということでもあります。
「子どもと仲良く、平和に、協力して困難を乗り越えていく」。
そんな親子関係でありたいですよね。
それがいつの間にか、衝突してしまっている。
「本当は仲良くしたい」という目的を再確認するためにも、このように問題を外在化して、「本当はもっと優しい子のはずだ」と信じられるように、見方を変えてみてはいかがでしょうか。
■ハードルを下げる
最後に、接し方について少し触れたいと思います。
イライラして余裕がないときは、普段できることもできなくなって当然です。
理性が十分働かず、言っちゃいけないことも言ったりしがちです。
規則正しい生活も難しくなりやすいですし、好きなゲームはできても勉強はできないこともよくあります。
そのため、言ってもやらない(できない)ときは、ハードルを下げるしかありません。
優先順位の高いものから1つずつやっていければ御の字です。
イライラした状態では机に向かっても集中できませんし、問題を解いても頭に入りません。
このようなときの優先順位は、
- 1.心身の休養
- 2.日常生活の是正
- 3.学校や勉強 です。
1、2が乱れているのに、3だけちゃんとやるのは不可能です。
親御さんとしては、3をしっかりやってほしいと思われるのも当然ですが、本人にとっては結構ハードルが高いと思います。
やるべきことを指摘されて怒るのは「そうしなくちゃいけないのは分かってるけど、できなくて困ってるんだよ」という葛藤もあるかもしれません。
だからこそ、「きちんとしつけないと、本人が後で困るから」という気持ちは一旦置いておいて、落ち着くまでは、できたところだけホメて、できないところは目をつむるのもアリだと思います。
「やらない」のではなく「できない」のではないか。
「できない」のには何か理由があるはずだ。
そう思って接すると、イライラする気持ちも少しは減るかもしれません。
どんなことで困っているのか、どうしていきたいのか、一緒に考えていけるといいですね。
なるほど~!
たかぎ先生ありがとうございました♪
親子で一緒に、いい関係が築けるように考えられたら素敵だね。