オール オア ナッシング

前回の記事はコチラ:自分がゴキゲンに笑って過ごせるのが一番

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nukさんファミリーの紹介

完璧主義。白黒思考。
長女・虹子がイライラしているのがわかると、ドキドキしてきます。


ちょっとしたことで火がついたようにキレまくり、人やモノにあたり、暴言を吐く。
それを見ていると私もイライラするし、怒鳴りたくなります。
自分に余裕がないとダメ。とても受け入れられません。

久しぶりに日付が変わる前に布団に入り、気持ちよく眠っていたのに。
いきなり布団をはがされ、大事なものがなくなった!と起こされる。
時計を見ると午前2時。
部屋中ひっくり返して大騒動。大声で叫ぶ、暴れる、泣きわめく。

取り憑かれたみたいに、何を言ってるの?
虹子が壊れていく。こんな姿見たくない。
虹子が苦しんでいるのを見ていたら、私まで苦しくなる。

ママはどうすればいい? ママにできることはない? ママに今どうしてほしい?
私よりすっかり大きくなって、捕まえられるかわからない娘の身体をギュッと抱きしめる。


暴れないように強く抱きしめて、背中をさする。

大丈夫! 大丈夫!


と言う私の言葉にも、泣きながら首を振る。
「大丈夫じゃない!」

100点なんて取らなくていい。0点でいい


「アカン!」

ママは虹子が苦しむの見たくない。生きていてくれたらそれでいい


「0点取るくらいなら死んだ方がまし」

0点取ったら先生に怒られる?点数悪くてママが怒ったことある?

と聞くと、泣きながら激しく首を振り、「自分で自分が許せないんだ」と。

なんでそんなに自分に厳しいの? なんでそんなに自分を追い詰めるの?
だんだん呼吸が早くなり、顔が紅潮してくる。


過呼吸気味になる娘を必死で抱きしめて背中をさすり、大丈夫、大丈夫。ゆっくり息をして……を繰り返す。
呪文みたいに。



嵐がゆっくりと去るまで、どれくらいそうしていただろう。
徐々にピークは越え、少しずつ呼吸が落ち着いてくる。

なんでこんなにも完璧を求めるの? なんでどこまでも自分にオッケーを出せないの?
それは、まるで昔の私を見ているようで。
余計に辛く、苦しく、今度は私の方が息ができなくなりそう。

ママは貴女に100点なんて求めていない。
この先ずっとしんどい思いをして生きていってほしくない。

失敗しても貴女が笑っているところが見たい。
転んでも怪我しても生きていけるってわかってほしい。

疲れ果てて眠りについた虹子が、ちゃんと息をしているか?
明け方まで何度も確かめにいきました。
とても苦しい夜でした。


この騒動で目が覚めてしまい、一部始終をずっと布団から見ていた次女・楓子。
翌朝、

ママ、偉かったな。私はお母さんにはなれへんって思った。子どもなんていらんって思った。子育てなんて絶対ムリ

と。
三女・紅子もそれに同意して深くうなずく。


そんな風に思わせてしまったのか…と、またちょっと辛くなる。
今度は2人を抱きしめて、

それ以上に嬉しいこといっぱいあるねんで。子どもは3歳までに一生分の親孝行してくれてるねん。だからもう充分。ママは大丈夫! みんな大好きやで!

と頭を撫でる。

これが今の私の精一杯。

ひといちばい深く感じて、
ひといちばい自分を責めて、
ひといちばい深く傷つき、
ひといちばい心が荒れる。


そんな娘たちを育てる私も
ひといちばい深く感じて、
ひといちばい自分を責めて、
ひといちばい深く傷つき、
ひといちばい心が荒れていく。

でも私は大人だから、母親だから踏ん張る。
覚悟を決める。この娘たちを守っていく。

この娘たちがいっぱい笑っていられますように。