人知れず そっと静かに 生きていたいの

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夢の国、ディズニーランドの恐怖

HSCの三女、紅子(べにこ)の苦手なもの、こわいもの……。

遊園地のアトラクションで言えば、何だと思いますか?

  • 絶叫マシン? →大好きです!
  • おばけ屋敷? →これは苦手……。

紅子は、お化けに

もう! やめてやっ!!

とマジギレ。

そんな紅子が今までで一番恐怖を感じたアトラクションは何でしょう…???
それは、夢の国、ディズニーランドにありました。

「スティッチエンカウンター」

 

なんだかイヤな予感……

娘たちがまだ小さかった頃の話です。
スティッチ可愛いし入ってみよっか!と、軽い気持ちで中へ入りました。

中は映画館みたいな感じ。
スクリーンの中のスティッチと仲良く交信できる、子どもはもちろん大人も楽しめるアトラクションです。

最前列は、子どもたちがスティッチとたくさんお話できるようにキッズシートが用意。
キッズはみんな一目散にキッズシートへ!
この時点でウチのHSC三姉妹はイヤな予感がしてきました。

コレ、当てられる系ね…。

三姉妹が慎重に会場全体を見渡します。

真ん中より後ろの列、入り口付近の中途半端な位置の席を選んで落ち着きました。
うん、ここなら大丈夫。
スティッチからは見えない、はず……。

そして、開演。
スティッチがスクリーンに現れました(可愛いっ!)。

まず、前列端のキッズから順番に名前を聞いていきます。
みんな元気いっぱいに大きな声で自分の名前をスティッチに教えていました。

次に大人のお客さんの中からひとり、その回の主役が選ばれます。

選ばれたのは、30歳~40歳代のパパさん。
スティッチに面白おかしくいじられまくり。
会場は大爆笑、パパさんとってもオイシイ役です。

キッズからパパさんにスティッチの注目が移り、すっかり安心して楽しんでいました。

しかし、そのとき…
スティッチが突然「ガバッ!」と三姉妹の座る座席の方へ身体の向きを変えました!

「ソコノ、マンナカノ、ハシッコノコ、ナマエハ!?」

楽しいはずのアトラクションに、心臓がバクバク

スティッチの可愛い大きな目が三姉妹の誰かを捉えています。

急に振り向かれて、紅子は心臓バクバクバクバク…。
顔は青ざめてフリーズ状態。


落ち着いて!

大丈夫よ! 

貴女じゃない!

スティッチが話しかけているのは、前の席の次女、楓子(ふうこ)だったのです。

楓子は、会場みんなの注目を浴び、緊張。
能面・棒読みでスティッチの質問に答えています。

紅子はスティッチが急に振り向いたショックと、自分じゃなくてホッとしすぎたのと、
あまりの強烈な刺激にフリーズしたまま…。

そして、再び注目は主役のパパさんへ。
最後の最後までいじられ、大爆笑! 楽しい時間が過ぎスティッチとお別れをしました。

ジェットコースターより刺激が強い、「注目」

紅子&楓子、放心状態です…。

紅子は、


危なかった…。

今までで一番怖かった….。

危険なアトラクションや…。

まさかあの席で狙われるとは…。

とフラフラの足取りで出口へ向かいました。
そして


主役のパパさん、めっちゃかわいそうやったな…。

と本気で同情していました。

スティッチは可愛くて面白かったし、また会いに行きたいのに…。

そんなに怖いなら、もう娘と一緒には無理かなぁ。

「ソコノコ、ナマエ、ナンテイウノ?」
スティッチ、ただ名前聞いてるだけなのにね(笑)。

指名、注目、発表…HSCには刺激が強すぎてジェットコースターよりも心臓に悪い。
人知れずそっと生きていたいのです。