ねえねえ、くにみ先生。
ちょっと聞きたいんだけど、
ダウンタイムって、どういうことだっけ?
HSPは刺激を避けて休むのが大事っていうのはわかったんだけど、
休んでるはずなのに、いまいち「休んでる感」がなくって。
「休んでる感」がないというのは、けっこうよく聞く話だね。
身体を横にして何もしないことと「休む」ことは
必ずしもイコールじゃないからね。
え?そうなの?
今日は、ダウンタイムについて、少し掘り下げてみようか。
お願いしま~す。
ダウンタイムとは?
まずは基本的なところからいこう。
HSPは周囲の環境から刺激を受けやすいというか、
情報として色々キャッチしやすいから、
そもそも刺激が少ない環境じゃないと、いまいち休めないよね。
うん、誰かと一緒だと気になっちゃうもんね。
お互いに干渉せずにいたり、
それぞれ一人で休もうとしても、
誰かが同じ空間にいると、結局気になっちゃうよね。
もちろん、仕方ないときはあると思うんだけど、
できるだけ一人になれる場所で休むのが、まず大事だね。
一人になれる場所か~。
そういう場所を確保するのがなかなか難しいですけどね。
そうだね。
ところで、休むことを「ダウンタイム」という言い方をするけど、
もともとこれはどういう意味だか知ってる?
え? もともとの意味?
ダウン、タイム。落ちる時間?
なんだか「へこんでる時間」みたいだね、それだと。
ダウンタイムは、本来は、機械やコンピューターを停止させて、
機械を休ませる時間のことをいうんだ。
「電源を落とす」っていうよね。
シャットダウンのダウン。
それが転じて、会話とかで一呼吸入れたり、
何かするのをやめてリラックスする時間、という意味で、
使われるようになったんだよ。
「スイッチを切って」休む時間というイメージだね。
へ~、もともとは機械を休ませる時間のことなんだ。
HSPにとっては、むしろ機械でイメージしたほうが分かりやすいかもしれないね。
機械はさ、スイッチを切らない限り、動き続けちゃうよね。
自分で止まろうと思っても止まれない。
HSPも似てるよね。
刺激が入ってくる環境だと、休むに休めないし、
強制的に休む環境に身を置かないとなかなか休めない。
あ、そうですね、なんか似てるかも。
ちなみにね、仏教では、人の心のことを「機」というんだよ。
え? 心のことを「機」?
機械は、外から働きかけられて動くものだよね。
スイッチを入れたり、何もしないのに勝手に動きだしたりはしない。
ぼくたちの心も、外からの刺激によって色々動くでしょ?
心の動きは、外部環境や刺激に反応して、
喜怒哀楽の様々な感情になるし、色々な考えが浮かんでくる。
逆にいうと、環境に逆らって、
心を安定させようとするのはすごく大変だということだね。
騒がしいところで、心を落ち着けるのは、
無理ってもんですよね。
そうだよね。
まあ、そういう頑張りが必要な時もあるかもしれないけど、
基本的には、環境は選んだほうがいいと思うよ。
そういう環境のことを、仏教では「縁」ともいうんだ。
縁次第で、ぼくらの心はコロコロうごく。
縁を整えることは、心を整える上でとても大事なことなんだよ。
縁を整える……か。
心のことを「機」といわれるのは、
それだけ人の心は、外からの刺激に影響を受けやすいということ。
縁を選ぶことを過小評価しないほうがいいよ、ということなんだ。
とくに、どんな人と一緒にいるかで、心が落ち着くこともあれば、
心がざわざわすることもある。
どんな人と付き合うかも、とても大事だよね。
へんな根性論とか、気合ですべて解決するなら、苦労はないもんね。
完 全 同 意 !