
ねえ、くにみ先生。
1つ聞いてもいい?

いいよ、なんだい?

くにみ先生は、自分がHSPって知って、
どんないいことがあった?

そうだね、HSPについて知ることの意義を知っておくことも大切だよね。
今日はそのことについて話そうか。

というのもね、この前、友達のパンダにHSPのことを話したら、
「敏感なところは誰だってあるんじゃない?」って言い返されちゃってさ。

なるほどね。
HSPについて誰かに説明して理解してもらうのは、
けっこう難しいことはあるよね。
まあ、ひとにわかってもらう前に、
まずは自分自身が「HSPについて知ることの意味」をよく知ることだよね。

うん、そうだよね。

まず、ぼく自身の経験からもいえることだけど、
「HSPについて知る」ということは、
「自分自身について知る」ともいえると思うんだ。

自分自身について知る?

うん、HSPは少数派だっていう話はしたよね。

うん、5匹に1匹くらいなんだよね。

そうだね、言い方を変えると、
大多数の人とは「違う感覚の世界」に生きている、ということだよね。

違う感覚の世界に生きている? そんなに違うの?

感覚の受け止め方の違いとしてよくいわれるのは、
多くの人、非HSPは、10を聞いて、1-2を受け止めるけど、
HSPは、10を聞いて100くらいを受け止めるというくらい違うんだ。

そうだとすると、100倍くらいの刺激の差があるってことになるね……。
そりゃ、疲れるよね。

そうだね、同じ音やにおい、視覚情報の中にいるはずなのに、
受け取る情報や刺激が、100倍も違うとしたら、
それはもう、違う世界で生きてるんじゃないかって
いうくらいの差だといってもいいんじゃないかと思うんだよね。

はあ、そんなに違うんですね。

ここからが大事なんだけど、
それくらい受け取って、処理する情報に違いがあるにもかかわらず、
感覚的な受け止め方は、他人と比べるのが難しいんだ。
というか、比べられないよね。

そうですね、みんな同じ世界に生きてるんだと思ってたし。

そうだね、実際は感覚的な情報を受け取る量に大きな違いがあるのに、
同じだと思っていたら、どうなると思う?

え? 同じだと思っていたら?
え~と、自分だけ大変なわけじゃないんだから、って思って頑張っちゃう?

そうだよね。
実際は、受け取って、処理する情報量が違うから、
疲れ方や、必要な休み方や休む時間も違うはずなのに、
そこは外から見てもわからないんだよね。
だから、外から見える行動を同じようにしなくちゃ、と思いがちなんだ。
HSPは、周りに合わせないと申し訳ない、って気を使いがちだから、なおさらね。

うん、めっちゃわかります。

だから、HSPは大多数の人とは感じ方が「違う」ということを知ること自体が、
HSPについて知ることの大きな意義だと思うんだ。
違うところを無理に同じように合わせようとすると、かなりの無理がかかるからね。

なるほど~。

そして、自分と周りの感じ方に違いがあることを知らずに
自分を無理やり周りに合わせようとするとね、
自分の感じ方を否定することにもなるんだよね。

あ~、そうですよね。
「気にしすぎじゃない?」とか「神経質だね」っていわれると、
自分が気にしすぎなのかって思ってました。

そうなんだよね、それって結構きついと思うんだ。
自分の感じ方を、自分で信じられないと、
どんどん自分の気持ちを抑え込むようになっちゃうからね。
自分を信じられなくなるというか、自己評価が下がりやすいというか。

自分を信じられない。。。ぼく、自信ないっす。

周りに「あなたはそう思うんだね」と、否定せずに共感してくれる人がいると
「自分は自分でいいんだ」って思いやすいんだけど、
否定されちゃうとね。

共感、大事ですよね。

自分の感じ方を信じられなくなっちゃうと、
自分の感情も表現しにくくなるんだよね。
自分が感じたことを表現したときに、否定されるんじゃないかって不安になるから。

ですね。。。

自分の感情を表現できないと、周りに合わせることばかり上手になっちゃって、
自分の気持ちが自分でもよくわかなくなっちゃうこともあるんだって。
そうなると、かなり生きづらくなっちゃうよね。

悪循環にはまっちゃうんですね。

うん。だから、自分の感覚、自分が感じていることは
決して間違いじゃないし、気にしすぎじゃない、
自分の感覚は正しいんだ、自分は自分でいいんだと思えることは、
とても大切なんだよ。

自分は自分でいいんだ、って思いたい……。

ね、そう思いたいよね。
その敏感さを否定しなくていいんだ、と思えるようになることが、
HSPについて知ることの大きな意義だと思うんだ。
ぼく自身も、自分は何か人と違うな~、と漠然と感じていたことが、
HSPについて知って、「自分が感じていたことは、気にしすぎじゃなかったんだ」
って思えるようになって、とても楽になったんだよ。
「周りと違う自分でもいいんだな」って肩の力が抜けたというかね。
HSPについて知ることは、自分について知ることだし、
自分は自分でいいんだと思えるようになる、第一歩ともいえるんだよ。

なるほど~、「汝自身を知れ」っていう哲学みたいな話かと思いましたよ。

お、パンダ君もかっこいい言葉を知ってるじゃないか。
そういう話も大事だけどね。
まずは、自分の感じ方を大切にしようね、というところから入るのが大事だね。
ということで、HSPについて知ることは、
自分自身を知ることであり、自分を大切にするための第一歩、という話でした。

ありがとうございました!