前回の記事はコチラ:ただ五感が喜ぶことをすればいい
夜の散歩。
どこからか、ヒノキの香りがしてきます。
あ、ここ木材屋さんか。
ヒノキの香りとともに、目の奥がツンとして懐かしい気持ちになりました。
幼い頃、家の建て替え工事をしたとき、家中ヒノキの香りが充満していて、なぜか優しい気持ちになったことを思い出しました。
しばらく歩くと、今度は金木犀の香りがしてきます。
金木犀の香りとともに、また目の奥がツンとして懐かしく……。
学校帰り、近所のあちらこちらに金木犀の木があって、秋になると金木犀の香りに包まれて、なぜか切ない気持ちになったことを思い出しました。
香りで記憶の扉がひらく。
ヒノキの香りは、なんにも怖くなかった頃の私の記憶。
金木犀の香りは、怖さを覚え始めた頃の私の記憶。
無条件に私を守ってくれる人がいた頃の記憶。
懐かしくて涙が出そうになる香り。