なんでHSPと仏教なの?(その1)~ライオンのはなし~

繊細パンダ
繊細パンダ

ねえねえくにみ先生、くにみ先生は、
なんでHSPに仏教のお話が合っていると思ったの?

  

くにみ先生
くにみ先生

おー、今日は直球勝負できたね。

そうだね、それについては一度お話しておいたほうがいいよね。

仏教というのは、仏の教えって書いて、

仏のことを、漢字では「仏陀」と書くんだけど「ブッダ」ともいわれるんだ。

パンダ君は、「仏」というと、どんなイメージ?

ん~、死んじゃった人のことかなぁ。

そうだね、そう思っている人(パンダも)が多いと思うんだけど、

本来は、そういう意味じゃないんだ。

それだと「仏教は、死んだ人の教え」ということになっちゃうでしょ?

そこから、仏教といえば葬式、死んでからお世話になるもの、

みたいなイメージも出てきてるんだと思うけど。

そうですね、確かに「死んだ人の教え」って変ですね。

ねえ。

そうじゃなくて、仏というのは、仏のさとりをひらいた方のことをいうんだ。

仏のさとりをひらくというのは、
とても深い「智恵(ちえ)と慈悲(じひ)」を体得するということだよ。

お釈迦さまは、そのとても深い「智恵と慈悲」を自分のものにされて、
人間にとって大切なことは何か、人間の悩みや幸せとは何かについて、

とても詳しく教えられたんだ。

それが、2600年も受け継がれてきたんだね。

2600年もずっと続いてるって、すごいですね。

パンダブームはいつまで続くかなぁ。

さすがにそんなに続かないよなぁ。

(今って、パンダブームだっけ……?)

オホン、そうだね、文化や流行りは移り変わるけど、

人間の本質は変わらないからね。

だからこそ、現代に生きる私たちにとっても、

学ぶべきことは多いと思うんだ。

人の心への感受性が豊かで、深く考えるHSPは、特に勉強になると思うよ。

僕が実際に、HSPと仏教、両方を知ることでとても生きやすくなったし、

お釈迦さまもHSPだったんじゃないかと思えるエピソードがたくさんあるんだ。

え、お釈迦さまも?

うん、もちろん確かめようがないから、あくまでそんな気がするということだけどね。

深く、まじめに自分の心と向き合われた方だし、とても繊細に、丁寧に、やさしく、

命はなぜ大切なんだろう

思うようにならない心と、どう向き合えばいいんだろう」ということについて、教えられているんだ。

へー、そうなんですね。

そういうまじめな問題って、気になるけど、

どうやって考えればいいのか、よくわからないですよね。

「命は大事」とは思うけど、

「なんで?」って質問すること自体が、変に思われないか不安になっちゃうし。

そうだよね。

「なんで?」と聞きたいのは、

決して「命が大事と思えない」からじゃないんだけど、

そう思ってないみたいに誤解されてしまうことも、少なくないね。

そうそう、だから誰かに相談したり、話し合ったりしにくくて。

みんな、内心では考えていると思うんだけどね。

でも、言いにくいから、

「こんなこと考えてるのは自分だけなのかな」って思いがちなんだよね。

仏教をもとに、いろんな人と話をしてると、

けっこう多くの人が考えてるということが、よくわかるよ。

へー、みんなも考えてるんですね。

そう聞くと、安心します。

あとは例えば、さっき「智恵と慈悲」という言葉を使ったけど、

「智恵」とは、どういう意味だと思う?

ん~、頭がいいってこと?

うん、そうだね。じゃあ、その「頭の良さ」ってどういうことかな?

ん~、勉強ができること?いろんなこと覚えているとか。

そういう頭の良さもあるよね。

でも、仏教でいわれる智恵は、そういうのとはちょっと違うんだ。

智恵とは「先を知るはたらき」といわれる。

「これからどうなるんだろう」という不安は誰もが持ってるよね。

「一寸先は闇」とかいわれるように、そんな未来のことは誰にもわからないけど、

わからないといっても、必ずやってくる。

その不安とどう向き合えばいいのかを、教えてくれるんだ。

お釈迦さまは、そういう不安と徹底的に向き合い抜いた方なんだよ。

向き合い抜いた? なんか、聞きなれない表現ですね。

ぼくは、不安ってすぐごまかしたくなっちゃうからなぁ。

だって、不安になると落ち着かないし、怖くなるから。

お釈迦さまは、とても勇気がある人なんだなと思いました。

「勇気がある人」、いいこと言うね。そのとおり。

ところで勇気というのは、怖いもの知らずということではないんだ。

ん? どういうことですか?

怖いもの知らずと、勇気は違うの?

勇気とは、恐れを感じないことじゃないんだ。

よく「怖がってちゃいけません」とか、

「そんな弱虫じゃ生きていけないよ」とか、

不安や恐れとかのネガティブな感情は

「感じちゃいけない」「心が弱いからだ」みたいな言い方をされるけど、

それは違うと思うんだよね。

そういう気持ちこそ、大切なことへの気づきのきっかけなんだ。

そうか。そこから気づくことがあるんだ。

僕、もう「弱虫パンダ」って自分を責めないようにします。

本当の勇気とは、恐れや不安から目をそらさずに、向き合うことだからね。

だから仏教は、「死とは何か」「死ねばどうなるか」
という不安についても取り組んでいるし、

それでいて、簡単に答えを出してはいけない、

徹底的に不安や疑問と向き合いなさい、
まっすぐに見なさいと、教えられてるんだ。

そしてそれは、自分自身の心と向き合う中で、

答えを見出さねばならないといわれる。


しかも、言葉をただ鵜呑みにするのではなく、

ちゃんと自分のこととして考えよう、

受け売りの知識で分かったつもりになっちゃいけませんよ、

と言われているんだよ。

ん~、分かったつもりになっちゃダメ、か。

それは確かに厳しいですね。

自分の心と向き合うのも、なんか勇気がいりますよね。

そうだよね。

仏教では、たくさんの知識を覚えていたり、物知りなことも大事だけれど、

それが自分の幸せにつながっているかを問題にされるんだ。

上っ面の知識じゃあ、幸せになれないもんね。

へ~、それもまた厳しい感じがする。

智恵というのは、こういう厳しい面や、強さ、勇気とかと関係が深いから、
ライオンに例えられることもあるんだよ。

ライオン?

ライオンは、百獣の王といわれるくらい、強い動物の代表だよね。
仏教で教えられる深い智恵は、ぼくたちの不安や迷いの心を破る、
強さとして語られることもあるんだよ。

え~、なんか怖いなあ。

敵だと怖いよね。
でも、味方だったら?

味方なら頼もしいな。
そっか、敵じゃなくて、味方と思えばいいのか。

お釈迦様が教えられたことも、別に、
パンダ君を苦しめるためとか、いやがらせのために厳しいことを言われたんじゃなくて、
幸せになるためのものだからね。

そういえば、くにみ先生がライオンに見えてきたよ。

え?

くにみ先生もさ、けっこうズバッと厳しいこということあるでしょ。
なんか、痛いところを突いてくるような。
でもそれは、迷ってたり、自信が無かったり、そんな僕の弱い心を見抜いてくれて、
弱虫なぼくの背中を押してくれるというか、そんな感じがするから。

あはは、そうだね、まさにそういう感じだよ。


そうそう、仏教の「智恵」の特徴はね、

もう一つの「慈悲」と、表裏一体の関係にあるというのもポイントなんだよ。

「やさしい厳しさ、きびしい優しさ」という感じかな。

これについては、ちょっと長くなったから、次回にしようか。

は~い、またお願いします。

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