バウンダリー(その2)自分を守るために

繊細パンダ
繊細パンダ

今日は、バウンダリー(境界線)をひくことの続きですよね。
お願いします~。

くにみ先生
くにみ先生

はい、お願いします。
前回の最後に、境界線をひくということは、
自分を守ることでもあるし、
相手を尊重することでもある、という話をしたね。
今日は、「自分を守るため」に重きをおいて話をしよう。

境界線をひくことには、
いろんな意味があるってことですね。

うん、まずは「自分を守るため」、
言葉をかえると、
侵入されたときの対処法」としての境界線についてだよ。

よろしくお願いします~。

「一方的な評価」から自分を守る

侵入されるというのは、
自分の価値観や、考え方、感じ方とか、
そういうことについて、
他人から一方的に評価されてしまうことだね。

どういうことでしょう?

たとえば、HSPなら、
「神経質だね」とか
「いろいろ気にしすぎじゃない?」って、
評価されちゃうことは少なくないよね。

あります、あります。
あと、こういうのもですかね?
ある日、ぼくが休んでるときに友達から、
「一緒に遊ぼうよ」って誘われたんだけど、
疲れてたので断ったら、
「ノリが悪いなぁ」って言われちゃって。

その時は頑張って、断れたんだね。
でも「ノリが悪い」って言われちゃったと。

うん。
ノリが悪いって結構よく言われるし、
ぼく自身も、できればみんなみたいに
ワイワイできたらいいな、とも思うんですけどね。

そっか。パンダ君自身も気にしちゃうってことだね。
せっかくだから、そのことを通して、
境界線を引くとはどういうことか、考えてみよう。

侵入されていると……

まず、「ノリが悪い」っていわれて、
パンダくん自身はどう思ったの?

う~ん、断っちゃって申し訳ないなって。
あと、ノリが悪いのは前々から自覚してたんだけど、
改めて言われると、ちょっとグサッときますね。
ハフンって、落ち込むし。

相手に悪いなって思っちゃうんだね。
まさに、バリアが薄くなっているというか、
境界線があいまいになっている状態だね。

やっぱり?
うまく境界線ひけないんです~。

相手の言い分をそのまま受け止めて、
グサッとくるということは、
バリアが薄い、つまり自分を守れていない状態だよね。

自分を守れていない?

境界線をひくということは、自分を守るということ
じゃあ、こういうときに自分を守るって
どうすればいいだろう?

ん~、「そんなこと言わないで」って言い返す?

そうそう、そんな感じだよね。
つまり、言い返していいんだよ。
自分の意見をもつことが、自分を守ることになるんだ。

言い返していい?
そうなの?
……
でも、それが難しいんだけど。

この場合、パンダ君が断った理由はなんだったっけ?

断った理由?
ん~と、疲れてて休みたかったから。

そうだよね。
それは立派な断る理由だよ。
だから、そう伝えればいいんじゃないかな。
直接伝えないとしても、
心の中では、「今は休むことが必要だからね」って
自分の言い分も大切にすること。
それが、自分を守るということだよ。

立場を入れかえて、考えてみよう

でも、休みたいって言いにくくて。
そんな理由で断っちゃ申し訳ない気がして。

そうだね、すぐには受け入れがたいかもしれないね。
まずは、誘われても「断ってもいい」、
ということはわかった?

ん~、まだ抵抗があります。
せっかく誘ってくれたのに申し訳ないなあとか、
嫌われちゃったらどうしようとか。
そういうことを考えちゃうから。

そうしたら、反対の立場で考えてみようか。
パンダ君が誰かを誘った時に、
「今は疲れてるから、またあとでね」って
断られたら、どう?
そんなに嫌な気持になる?

いえ、別に嫌な気持ちにはならないです。
ゆっくり休んでねって思います。

だよね。それで終わりだよね。

そっか。
反対の立場に立つと、印象が違いますね。

相手の言葉をちゃんと聞いた方がいいのか、
言い返していいのか、
判断が難しいこともあるかもしれないけど、
ぼくは、大体の目安を決めているよ。
それは、
同じことを、自分も人に言えるか」。

同じことを人に言えるか、ですか。
確かに、僕は人に「ノリ悪いね」って言えないな。
そっか、そう考えると、
それは真受けにしなくていいんだって思いやすいですね。

「あなた」よりも、「私」メッセージ

まずはね、相手に何かを伝えるときは、
「何を伝えたいのか」ということだね。
この場合なら、相手に引き下がってほしかったのか、
自分が休みたかったのか。

その二つは同じじゃないんですか?

どう? 同じかな?

自分が休みたい気持ちが先かな。

この二つは、似て非なるものだよ。
一緒に遊ぶこと自体がイヤなわけじゃないでしょ?
自分が大切にしたいことを守ることが大事なわけだから。

そっか。そうですよね。

相手の言い分を拒否したいんじゃなくて、
自分の気持ちを大切にしたいわけだよね。
この二つを分けて考えられると、
「No」といいやすくなると思うよ。

そうですね。
相手の頼みごとを断ることは、
相手を拒否するんじゃなくて、
自分を大切にすることっていうのが、
なんとなくわかってきた気がします。

「今日はちょっと疲れちゃたから、
今は休みたいんだ」って、
自分の意見もちゃんと伝えるということだね。
断る理由を伝えた方が、相手も納得しやすいし。

 境界線を引く、ということは、
相手の事情と、自分の事情を、
分けて考える
」ということでもあるんだね。
その二つが、ゴッチャになってしまうと、
相手にどうみられるかばかりが気になって、
自分の気持ちが分からなくなっちゃうから。

線を引くとは、分けること、か。
確かにそうですよね。

 

境界線をひくとは、よくかむこと

まとめてみるね。
自分を守るための境界線は、
誰かに侵入されたときの対処法だと話したね。
つまり、自分の言い分とは違うことを押し付けられたり、
一方的に評価されちゃったりしたときに、
ちゃんと(心の中で)押し返していいんだよ、と
理解することから始めよう。

相手の意見を真受けにせずに、
自分の言い分も大事にしていいってことですよね。

そうそう。
言い方を変えると、
鵜呑み(うのみ)にせずに、
ちゃんと咀嚼しようということだね。

ん?
うのみにしない?

鵜って知ってる?
鳥の一種だけど、歯がないから、
魚を食べるときに、噛まずに丸のみするんだって。

ほぉ。消化に悪そう。
まあ、鵜はそういう作りなんですもんね。

うん。
でも僕らはちゃんと噛んでから飲み込まないと、
消化不良でお腹を壊しちゃうよね。
同じように、相手の意見を丸のみせず、
つまり真受けにせず、
ちゃんと自分なりに咀嚼してから、
受け止めることが大事だよね。

よく噛むことが大事なわけですね。
わかります。
30回は噛まないとね。

そうそう。
ウっとくるようなことを言われちゃったときは、
飲み込みにくい食べ物みたいなものだから、
いつも以上にしっかり咀嚼して、
自分の心を守るように意識したいよね。 

よく噛んでっていうのが、
僕としてはわかりやすかったです!
なんだかお腹空いてきちゃった。
いただきます~。

いつもホントに笹を美味しそうに食べるよね……


まとめ

ということで、
境界線とは、自分なりの意見、言い分、言い訳のこと。
相手に言われたことが、喉につっかえる感じがするときは、
相手の言うことを真受けにすべきかどうか、
時間をとって、確かめてみようね。
最初はちょっと時間をとって
色々考えてみる必要があるかもしれないけど、
これも練習だから、慣れてくると
だんだんパッとできるようになるよ。

はーい。

それでも、自分一人では中々難しいときは、
誰かと一緒に考えてみるのもいいかもしれないね。
自分のことをよくわかってくれてる人とね。
「そんなの大きなお世話だよね~」とか
言ってくれる人がいると、
境界線って、やっぱり引いていいんだって
思いやすいと思います。
では、今日はこの辺でおしまいにしましょう。

ありがとうございました~。