転職のはなし(その2)~差次感受性について~

繊細パンダ
繊細パンダ

HSPの転職についてのご相談について
くにみ先生にお答えいただいています。
今日は、前回の続きですよね。

くにみ先生
くにみ先生

そうだね。
前回は、敏感さゆえに環境の影響を受けやすいから、
環境を選ぶことは大事ですよ、という話をしたね。

今日は、それが仕事の成果や評価にも
影響してくるよ、という話をするね。

めっちゃ影響しますよね。

騒音や、コーヒー、タバコのニオイとか、
周囲の人のイライラや、せわしなさ。
そういうのにもやられやすいよね。
刺激の受け方は、人と比べられないけど、
受ける刺激の強さには大きな違いがある、
と知ることがまず大事だよね。
それが、仕事のパフォーマンスや
評価にもけっこう影響するんだ。

わかります~。
僕は暑さにすごく弱いから、
暑い日は愛嬌をふりまきたくても
どうしても顔がひきつっちゃうんだよね。
そもそも暑いだけでものすごく疲れるから、
裏で寝てる時間が増えちゃう。
あと、飼育員さんがイライラしてる日は、僕ダメなんだ。

ね、イライラをもらっちゃうときついよね。
だから、ある程度HSPに合わせてくれる環境で仕事をしないと、
せっかくの力を十分発揮できないよね。


本当の平等と、悪平等

例えるなら、
魚とパンダが、泳ぐ速さを競争するようなものかな。

パンダが泳ぎで競争?
無理っす。泳げません。

だよね。
でも「水の中で泳ぐ、という条件は
同じなんだから頑張れ」って言われたら?

なんちゅう理不尽な。。。
無理なものは無理です。

だよね~。
形の上で「平等な条件で」といっても、
それは、本当の平等じゃないからね。
こういう違いを無視した平等を「悪平等」というんだ。

仏教の平等観はね、それぞれに合わせて差別することは
決して悪いことじゃなくて、
むしろ違いを認めて、いい意味で差別することこそが
平等だとみるんだ。
 それぞれの差を認めて区別する、という意味の差別だね。

ほえ~、差別って必ずしも悪いことじゃないんですね。

例えば、子どもと大人じゃ、食べる量は違うでしょ?
子どもも大人も差別はしないよ、って言われたらどうかな?

子どもに合わせたら、大人が少ないし、
大人に合わせたら、子どもは多すぎるよね。

そうだよね。
形の上だけの平等は、悪平等であって、本当の平等じゃない。
本当の平等は、ちゃんと違いを認めて皆が幸せになることだよね。
差をつけてこそ、平等に幸せになれる。
目指すべきは、そこだからね。

そうですよね~。

 

よくもわるくも「差次感受性」

ということで、HSPにはHSPなりの働きやすい環境がある。
HSPといっても適切な環境は一人一人違う。

そしてHSPはいい意味でも環境の影響を受けやすいから、
天職ともいえるものに出会えれば、
ひといちばい力を発揮できるはずなんだ。
悪い意味だけじゃなくて、いい意味でも影響を受けやすいことを、
差次感受性(さじかんじゅせい)」っていわれるんだよ。

あら、なんか専門用語がでてきましたね。

HSPの研究もいろいろ進んでいるみたいだからね。
今までは「ストレス脆弱性」といって、
悪い意味での影響の受けやすさばかりが
注目されていたけれど、
心地よいと感じる刺激にも
感受性が高いことが分かってきたんだ。

 よい刺激にも敏感って、なんだかうれしいですね。  

そうだね。  
HSPのいいところ、たとえば深く考えることや
配慮できることが長所として発揮されれば、
ひといちばい成果もだせるし評価もされるはずだよね。

HSPの敏感さ、感受性は、
決して弱さやもろさじゃなくて、
良くも悪くも敏感なのであって
それがどっちに転ぶかは縁次第なんだね。

なるほど~。
縁を選ぶのは大事ですね~。


常識という名の呪い?

だからね、他人と違うところがあるということは、
受け取るアドバイスも人と違っていいし
そうあるべきなんだよね。

受け取るアドバイスも違っていい?
でもみんなが守らないといけない常識とか、ルールって
やっぱり守らないといけないんじゃないですか?

もちろん、みんなが守るべきルールもあるよね。
でもHSPは特に、自分に厳しすぎるくらい
まじめに守る人が多い気がするんだよね。

そうなの?
でも確かに、飼育員さんの命令は絶対だと思ってたけど、
意外とほかのパンダは守らないことがあるし、
それでも、平然としてるんですよね。
僕なんか、人がルール守ってないのを見るだけで、
ヒヤヒヤしちゃうのに。

そうそう。
だから「忍耐が大事」とか、
「一つのことをきちんとやり遂げなさい」
みたいな、常識という名の呪いに
苦しんでいるHSPは多いんだよ。

呪い。。。
なんか、わかるかも。

人それぞれ、その時々で、
必要なアドバイスは変わるからね。

一口に病気といっても、病気にもいろいろあるし
重さも違えば、体格や薬の効きやすさも違う。
それに応じて薬を出す(与える)必要があるから
医者がいるわけだよね。
これを応病与薬(おうびょうよやく)といわれるんだ。

病に応じて、薬を与える……

そう。
お釈迦さまは、それを対機説法(たいきせっぽう)
ともいわれているんだ。
機に対して法を説く、と読むんだけど、
機とは人の心のこと、てことは以前も少し話したよね。
これは聞く人の心に合わせて、
仏法を説くことの大切さを教えられた言葉なんだ。

お釈迦さまも、自分の話が誰にでも
当てはまるとは思ってなくて、
人それぞれピタッとくる話は違うことを、
よくご存じだったんだね。

へ~、心の機微に敏感な方だったんでしょうね。

きっとそうだよね。
人は皆、千差万別のいろいろな経験をして、
億差兆別の考え方をしている。  
ある程度まわりに合わせることは大切だけど、
決して同じにはならないよね。
それぞれに向き不向きがあるし、得意不得意もある。
人間関係にも相性や適度な距離感というものがある。
だから縁は、自分で選んでいいし、
選んで自分を守ることは大切なことだよね。

ほあー……
なんか、呪いが解かれて、
心が軽くなっていく感じがします~。


多様性と共通性

最近は、多様性とか、ダイバーシティとか、
みんな違ってみんないい、とか言われるよね。

一方で、心の深いところでは共感出来ること、
共有できる喜びや悲しみもある。

  
違うところは無理に合わせない。
その上で共通すること、つながりを大切にする。

その見極めが難しいけど、大事なんだね。

これが逆になると大変。
違うところを無理に合わせようとして苦しんだり、
共感すべきところを無視して、孤独に悩んだりしてしまう。

多様性が大事とかいいながら、
みんなに合わせろ、とか言われると、
どっちやねん!ってなりますよね。

ね、多様性の大切さは、まだまだその本質が
理解されてないことが多いからね。
HSPにとっては、まだまだ自分の身は
自分で守ることが大事だね。
さて、長くなったから、このへんで終わろうか。

ありがとうございました~。

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